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イランの聖地について】

イランの国教であるイスラム教シーア派の聖地を巡礼する。イランのモスクや聖廟は、世界的にも有名な繊細美術で描かれており、特にイスラム教やイスラム建築に造詣の無い者でも、十分にその世界を堪能できる。

世界的に特に有名な地は、かつて「世界の半分」とまで称えられたイマーム広場(エマーム広場)があるイスファハーン(エスファハーン)である。イスファハーンは、1598年サファビー朝のシャーアッバース1世(在位1588〜1629)が首都としたことにより繁栄した。また、アッバース1世の庇護のもとに、すぐれた建造物を数多く残した。
しかし、イスファハーンは、1722年にアフガン人に侵略されたために、首都はシーラーズに移動した。
シーラーズにも、835年にこの地で殉教したイマーム(エマーム)・レザーの兄弟であるセイエド・ミールアフマドの聖廟であるシャー・チェラーグ聖廟や同時期に作られたマスジェデ・ジャーメを始めとして数多くの聖地がある。
また、イランで最大の聖地とされるイマーム・レザー廟を要するマシュハドは、9世紀頃から宗教の中心地とみなされるようになった。イスファハーンと同様に、シャーアッバース1世が市街を整えたことにはじまり、アフシャール朝の事実上の首都としても栄えた。

イランのその他の聖地には、イマーム・アリー・アル・レザーの妹であるファーティマをまつった黄金のドームをもつファーティマ寺院のあるコムや、テヘラン南部のイマーム・ホメイニ聖廟などがある。

【イランの国教であるシーア派】

イランの国教は、イスラム教シーア派である。シーア派は、ムハンマドの継承者争いの中から生まれた。

そのシーア派の中でも最大の分派である十二イマーム派が、現在のイランの国教となっている。彼らは、預言者ムハンマドのいとこであり女婿アリーと娘ファーティマの子孫からなる12人のイマームを、真の指導者とみなしている。

シーア派が生まれたのは661年に第4代カリフであるアリーが暗殺されたことによる。
ムハンマドを直接継承する権利はアリーにあり、それ以外のカリフは簒奪者であると主張した。そして、ムハンマドの子孫のみがイスラム教徒の共同体を支配するという考えた。この正統主義教義は、多数派のイスラム共同体スンナ派からは拒絶され、この教義を支持する人々はシーア派として党派運動を展開していくことになった。

※余談であるが、シーア派ではザカートとよばれる税を、宗教指導者に支払う。その結果、シーア派の指導者たちは莫大な富と財産を得ている。


【準備】
【女性の場合】
肌や身体のラインを見せることはタブーとされている。街の中でももちろんだが、モスクに入る時は地味めの色(黒、グレー、茶)のジャケットやチャドル、スカーフで頭を覆うなど、服装を考える必要がある。

購入したものは、黒のジャケット、少し模様の入った紺のチャドル。この2つがあれば問題ない。

特にマシュハドなどの聖地(※)はタブーが多い。まず、必ずチャドルを付けなければならない。チャドルは必ずしも黒にでなければならないわけでなく、白や花柄のものもOK。バザールで20,000リエル〜から買える。さらに、足元も黒などの色で統一しなければならない。前髪も少し見えただけで注意されるので気をつけよう。

※シーラーズのシャー・チェラーグ聖廟とマスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)もチャドル着用。だが、無料レンタルあり。

【男性の場合】

目立たない服装が良い。特に、ノースリーブや半ズボンは好ましくない。

【特にマシュハドの場合】
カメラは持ち込み禁止。
荷物類も大きなものは入口近くにある、荷物預かり所に預ける必要がある。チェックはそれほど厳しくないが、ばれた場合はどうなるか分からない。

※私は、1度だけ女性係官に連れられてカメラを持ったまま中に入ったが、周囲の状況も考え(特に日本人なので)写真は撮らなかった。女性係官によると、友人が来た場合など、こっそりカメラを持ち込むらしい。
※余りに広いので、英語版地図が入口の「巡礼者ガイド」室(チェックゲートの外)で貰える。南西に外国人用巡礼者オフィスがあり、イスラム教やマシュハドに関する本(日本語版あり)やVCDが無料で貰える。

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ミニコラム

++イスラム教聖地++

イスラム教最大の聖地はサウジアラビアにあるメッカだ。巡礼はイスラム教徒にとって宗教的義務とされている。

イスラム教の他の聖地は、メディナのハンマド。チュニジアのカイルワン、モロッコのウェサン、イラクのカルバラー、イランのマシュハドなど。

 

ミニコラム

++イスラム教
シーア派++

イランの国教はイスラム教のシーア派。国民の95%が信徒である。
シーア派は他にはイラク、シリア、レバノン、インド、パキスタン、中央アジア各地でも多数の信徒がいる。しかし、全体的にはスンナ派の方がずっと多い。.

 

シーラーズの芸術名所たち。

■マスジェデ・ヴァキール。

入口の門にあたる部分がすごい。イランの繊細な美術は知っていたが、それが目の前に広がった。これが、これが、憧れていた美しきイランの芸術だ〜!

緑と青を基調にした鍾乳石飾りで、見事に美しく飾られている。天井に行くほど、目が細かくなり、美しさが引き立つ。絵は基本的には花や草木で、近くで見るとそうでもないが、それが集合すると物凄い傑作になる。
中でも同じようなデザインの建築が見られる。モスクとはいえ、現在進行形というわけでもないようで、祈るイラン人の姿は皆無だ。その代わり、静けさが見る側の気分を盛り上げる。

今までの国では見られなかったものを見れたという喜びが大きい。アジアではあるけれど、西の文化と古代ペルシャ時代の文化に初めて触れ、「異国情緒」を感じるのであった。

■バーザーレ・ヴァキール。

マスジェデ・ヴァキール付近からバザールが始まる。
そういえば、バザールという言葉はペルシャ語らしい。だから、イランのバザールが本場なんだろう。

だからか、歴史の深さを思い起こさせる建築をしている。屋根は上に丸く伸びていて、1番てっぺんには「明り取り」の穴が空いていて、そこから風が入りこむシステムになっている。夏はとても暑いイランでは、昔からの知恵なんだろう。確かに中は涼しいように感じられる。

バザールは、本当にたくさんの種類のお店がつながっている。絨毯屋、宝石屋、衣類屋、靴屋、鞄屋、チャドル屋、仕立て屋、時計屋、観光向けお土産屋・・・。
古い石造りの建物の中で商品が上手にライティングされ、きれいに引き立っている。それは今まで見たことのないにもかかわらず、持っていたイメージ通りのものだ。値段交渉を楽しみ、ゆっくり買物する客、目をキラリと光らせる商人。ここでは何時間も何日もかけて商品の交渉をゆっくりと行うのだろう。水パイクをくねらせたり、甘〜いチャーイを飲みながら。

■シャー・チェラーグ聖廟。

これもびっくりだ!!
外見はイラン独特というべき鍾乳石造りの実に華やかな四角い門と、玉ねぎ型をした大きなドーム。街の中でも目だって引き立っている。さすがに信仰の場である。
広い敷地内の中央が噴水になっていて、四方が建物に囲まれている。写真は禁止とのことだが、影に隠れてパチリと撮る私たち・・・。

聖廟内は本当にすごい。
基本的にはムスリムだけが入る場所らしいが、遠慮しつつも中に入った。部屋は、男女それぞれ別のようである。女性はただでチャドルを貸してくれることになっている。ここでは必ず身につけなくてはならないらしい。

天井や壁一面が鏡張りのタイルになっていて、その質以上の華やかさを演出している。キラキラと、人が歩くたびに、自分が歩くたびに、光がきらびかやに変化し「聖なる場所」であると実感する。まるで、ダイヤモンドなどの宝を張り詰めたような効果があるのだ。ブルネイで見たモスクはいかにも成金で、宝石や金銀をあちこちに貼りめぐらせたものだったが、こっちはこっちで違う美しさを演出している。

さらに、建物ばかりでなく人もすごい。生きた信仰の場なのだ。中でお弁当を食べる人、貸し出しフリーの本を読む人、座ったり横になったりして「生活の一部」を営んでいるような人もいれば、真剣に祈りを捧げている人もいる。雰囲気はやはり厳粛としていて、感動が高まる。

あまり良いイメージを持てなかったイスラム教に対して、自分の中で少し撤回する気持ちが現れた。こんなに真剣に、そしてこんな建物ができてしまうのは本当にイスラム教、法典が凄いからであろう。イスラム教は世界でも大きい宗教であり、偉大なものなのだろう。


■マスジェデ・ジャーメ(金曜モスク)。

シャー・チェラーグ聖廟の少し奥へ行ったところにある、やや規模が小さめのモスクだ。ここも同じように靴を脱ぎ、女性はチャドルを借りる。そして男女別だ。

中はシャー・チェラーグ聖廟と同様、鏡張りのタイルになっていて華やかな雰囲気を醸し出している。規模が小さく、タイルの量も少ないが、ここは天井部分より緑色のライトで照らされていて、鏡に緑がきれいに反射している。実にきれい。(こういう風に書くと、まるでおもちゃかのような世界のようだが、実際はそうでなく、建物の芸術といっても良いぐらいにすごいものだ。)

ここも同じように、ご飯を食べる人や本を読む人や静かに佇んでいる人など様々だ。印象的だったのは、「神の家」と呼ばれるコーランの安置所(メッカのカアバ神殿を模して造られた)の前で感極まり泣く人の姿だった。その柵に触れ、キスをする人。宗教を持たない私だけど、人の敬虔な姿に少なからず感化された。

ここはシーラーズで最も古いモスクだそうだ。シーラーズでも地震があるらしく、何度か打撃を受けたらしい。でも、既に修復されているのか、その被害はさほど気になるものではなかった。

■マドラセ・イェ・ハーン。

ここは最初に行くべきだった。特別美しい建築物もないし、祈りにきているイラン人は皆無。だた子供が遊び場として使っているだけだった。そういえば、入場料を払わずに入れてしまった。どこも、ガイドブック(旅行人)に書かれている料金と実際の値段が全く違うのだ。高くなっているのなら分かるが、10分の1ぐらいに安くなっているのだ。ここは安くなるどころか、無料で入れてしまった。人気がないからスタッフがさぼっているのかなぁ。

マドラセ・イェ・ハーンは緑が生い茂り、まだ酸っぱそうだがオレンジがたくさん実っている。のんびりするだけなら良い場所だ。

■パール博物館。

元は公的儀式が行われる建物だったらしいが、途中から博物館に変わったものらしい。古く歴史のある室内には、シーラーズの歴史に関する展示が飾られている。古代を彷彿させる絵、昔使用されていた刀や金具が展示されている。展示物は少なく、さほど見る価値はないように思われるが、削げ落ちた壁画が味を出していて、私はそれなりに楽しめた。入場料も安い。

■キャリーム・ハーン城塞。

ここはシーラーズの町の中では目立つ建物だろう。四方を高い茶色の壁に囲まれ、丸みのある柱が存在感を出している。周りは広々とした広場になっていて、水パイクやチャーイ、サンドウィッチ屋台が出ている。歩道は石畳になっていて、車は通行止めになっている。とても良い憩いの場になっているのだ。

城の中は私一人で入った。
中はいかにも「城!」といった感じで、正面に大きな建物がどでんと建つ。入口からそこまでは100mほど通路がつながっていて、「王様」が通るような道が続いている。周りはそれぞれに小さな展示場になっていて、昔のシーラーズの写真や模型など、あまり関係のなさそうな展示物が見れる。見る価値があるようなないような城の中であった。(外はそれなりの雰囲気はあるかな。歪んだ柱など趣がある。)

1日でたくさん回ってしまい、かなり疲れた。けれど、シーラーズの観光名所はとてもおもしろく、個性豊かで楽しめた。
途中、バザールではラホールの宿で一緒だった男の子と女の子に会った。その前にはまた別の男の子に会ったが、彼はこの前まで一緒だったケンさんと部屋をシェアしているらしい。イランでは旅人と再会する確率がとても高い。みんなそれぞれ西へ西へ向かうらしい。

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ミニ情報

++入場料++
(シーラーズ)

キャリーム・ハーン城砦
=2,000リエル

パールス博物館
=3,000リエル

バーザーレ・ヴァキール
=無料

マスジェデ・ヴァキール
=1,000リエル

シャー・チェラーグ聖廟
=無料(チャードル貸し出し有り)

マスジェデ・ジャーメ
=無料(チャードル貸し出し有り)


マドラセ・イェ・ハーン
=無料
入場料は数年前まで5〜10倍の値段がしていたらしい。観光業者やイラン人の意見で下がったとのコト。ありがたい。

※モスクは、金曜日の礼拝時間は立ち入り禁止。

 

 

ミニコラム

++マスジェデ・
ヴァキール++

時間によっては料金徴収係がいないようだ。
大した金額ではないが、いなかった場合はラッキー!

 

 

ミニコラム

++シーラーズ歴史++

シーラーズが政治的な中心として栄えたのは、1753〜1794のほんの40年ばかり。

しかし、芸術や文化の都として多くの建物などが残っている。

そして!!かつてはワインの都としても有名だったらしい。ああぁ〜、勝手の栄光はどこに!?

ところで、アルコールは禁止されているイランだが、クルアーン(コーラン)の「食卓」の章で製造販売を禁止されている。
その啓示が出された日、メディナの町中の酒が廃棄され酒の匂いがしばらくたちこめていたとのこと。

確かに最近お酒を飲んでいない。たまには身体にいいだろうなぁ〜。

 

 

++シャー・チェラーグ聖廟++

835年にこの地で殉教したイマーム・レザーの兄弟、セイエド・ミールアフマドの棺を安置した聖廟。1300年代に廟が建設されて以来、シーア派の重要な巡礼地として栄えてきた。夜はライトアップされる。

 

 

ミニコラム

++修復中++

多くの観光地で、例外なく修復作業が行われている。

歴史ある見所ばかりで古くなっていること、地震のある国なのでその被害の修復、そして常にきれいに新しくしようと言うイラン人の熱心な心ゆえだろう。
ただし、写真を撮る際には足場などが邪魔に思えてしょうがない。見せて頂いている立場なので、とてもそんなことは言えないが。

 

 

ミニコラム

++バーザーレ・
ヴァキール++

とても雰囲気がある。
特にマスジェデ・ヴァキール近くが良い。
北東に行くほど寂れて行くようだ。

 

 

ミニコラム

++異教徒として++

当たり前だけれど・・・聖なる場所、宗教的な場所である。
よって、礼儀正しく目立たないようになどの配慮が必要。

本当は異教徒が入る場所でもないし、快く思わないイスラム教徒も多いようなので、写真・その他ルールを守ろう!!

 

 

ミニコラム

++観光は徒歩?++

徒歩で回ることも十分に可能だが、1日で回ろうとすると疲れる。

余裕を持ったスケジュールが良い。暑い日にはタクシーを使うのも良いかもしれない。

※バザールなどを経由しながらの見所巡りもとても楽しいので歩きの方がオススメな気はするけれど。

 

 

 

ミニコラム

++しつこい人?++

町を歩いているとイラン人が話しかけてきた。挨拶だけ日本語だ。
日本の電話帳、それも会社やお店が載っているものが欲しいという。

私たちはすぐに日本に帰るわけでもないのだが、説明も難しいので、軽くその旨を伝ええようとしたが無理。あとで、メールで伝えようと考えた。

ところが。。。バーザーレ・ヴァキールを歩いていると待ち構えていたように彼が登場!!
その後、30分ほどもしつこく後を着いてきた。親切心なのかもしれないが、かなり迷惑。
よほど電話帳が欲しかったのだろうか。どうも胡散臭い目的に使いそうな・・・。

●マスジェデ・イマームの感想。(イスファハーン)

すごい、すごい、凄すぎる!!!
考えてみると、旅に出る前のmy計画書(歩き方を参考に、エクセルに行きたい見所を書き出していた。)のトップはこの通称「ブルーモスク」であったのだ。その時は「なんとなく興味がある。」だったのだけど、自分の直感は間違っていなかった。旅に出てから見たものの中で、もしかしたら1番に感動したものかもしれない。

最初、イマーム広場を見た時に「世界の半分」と言われる理由を考えずにはいられなかった。2人とも
「うーん、これを世界の半分と言うべきか?」
と頭を抱えたが、これを見ているうちに気が変わった。
「うーー!これはまさに世界の半分かもしれな〜い!!」
と私。

シーラーズやヤズドのモスクで同じようなデザインを見てきたが、これはそれを越えるものだった。イランの中でも最も美しいと絶賛されるほどスゴイものなのだ。
高さも今までで1番高い。いくつものの色鮮やかな花木の絵が描かれている。遠くから見ても近くから見ても、その緻密で繊細な雰囲気はばっちり伝わってくる。本当に私は感動したのだろう。友達の誰誰さんにも見せたい、共感し合いたいと思ってしまったほどだ。

門をくぐると、さらにさらにすごい世界が広がる。まるで理想の迷宮だ。
中央の広場を中心に、東西南北にどこも素晴らしいモスクがそれぞれに建つ。特に正面と東側の礼拝堂は美しい。中央部分の天井は大きく広く丸くなっていて、見る者を圧倒させる。天井が高いせいか、音響が強く、大きく声を出すと何度も反響音が響く。

一般的に、宝石はきれいなものだ。このモスクには宝石は使われていないが、これも宝石の一種だろうと思った。1枚1枚のタイルに細かく描かれたいくつもの絵(大きな絵を分割してある)が集大成になると、ものすごい力を出す。石だけが宝石じゃないのだ。

ただただ平面的に丸かったり、四角かったりしない。なるべくなるべく凹凸を作り、少しでも絵を描こうと言わんばかりに埋め尽くす。隙間がないどころか、あえてスペースを作っているのだ。その凹凸の影響で、見る角度によっていろいろな表情が見えてくる。違う絵の重なり、絵の陰陽・・・。

全て計算されているような?統一性のなさが美しいのか?
それは完全な美の世界。

芸術の知識もセンスもない私だけど、これを見ているうちに、少しでもそういう世界に入りこめたような気がする。芸術家はこういう風に感動するんだろうな、って。写真に撮っても動画で回しても、全ての雰囲気をメモリーするのは不可能だ。肉眼で見るその感動はナニモノにも代えることができない。残るはやっぱり自分の記憶だ。

見ても見ても飽きない。もう一度見たい私は翌日に再び門をくぐった。
やっぱりすごい。
何度見てもそれは素晴らしく、上を見上げすぎて首が痛くなってしまった。頭を360度に回してみたり、同じ部分を凝視したり、座ってゆっくり眺めてみたり・・・。この「ドバーン!!」という迫力はいつまでも心に残るだろう。
離れるのも離れがたく、
「よし!いつかまた戻ってくるぞ!」
と決心する私なのであった。

マスジェデ・イマームの掃除。(イスファハーン)

小型はしご車のようなもので、イラン人が一生懸命掃除している。
それを眺めながら写真に撮る。
(こんなに大きいと掃除大変だな・・・。)
鳥の糞などが、あちこちにかかっているのが目立っているのだ。

「日本人?」
「そうだよ。」
「イスファハーンはどうだ?」
「とても美しい!!」
「そうか、じゃ、コレに乗ってみろよ!!」
(えっ!?これに日本人である私なんかが乗ってしまって良いのだろうか?)

梯子を上り、1番上の台に立つ。
するすると梯子が伸びて行く。もう天井も間近だ!!高い場所から間近で見る天井も美しい!!
残念ながら汚れも目に付いてしまう。隣のイラン人と一緒に雑巾でタイルを磨く。掃除すると、その部分が本当に綺麗になるのが分かる。こうやって、日々の努力により、人を感動させる美しさが保たれているのだ!!凄い!!

●アーリー・ガープー宮殿。(イスファハーン)

この宮殿は修復中でもあり、ちょっと期待はずれ。
「世界の半分」と称えられた広場にあるのだから、モスクと同様に素晴らしいと思っていたのに・・・。ここもそれなりなのだが、他が凄すぎるのだ。楽器の形にくりぬかれた装飾天井(※)などもあるのだが、それよりもテラスから見える2つのモスクに目が行ってしまう。

入場料も2つのモスクよりも安い。
きっとその入場料の差に、一般の評価が現れているのだろう。

私たちが広場で最初に訪れたのはここ。それは正しい順番だった。最後に来ていたら拍子抜けしてしまうところだった。

※私たちが訪れた時は、見学不可能だった。

●メスジェデ・シェイフ・ロトフ・オッラー。(イスファハーン)

入口の門は、マスジェデ・イマームよりこじんまりしている。
でも、同じようにきれいで惹きつけるものがある。

その入口に入って美しい青色の模様で敷き詰められた通路を見ると
(マスジェデ・イマームとは違うな〜。)
という感じだ。バザールのような通路を、全て綺麗に装飾してしまった風なのだ。薄く光も差し込み、それがさらに周りを特別なものに見せる。
模様もマスジェデ・イマームとは違い、黄色も目立つ。とても繊細な感じに美しいのだ。

ドーム内部は、より繊細だ。壁、天井、全く隙間なくタイルによる芸術が張り巡らされている。
日差しによって、クリーム色やピンク色にも見えるということだったが、それも納得なのだ。自分が動いてみると、微妙に見え方が変わる。

もう、こういった美しいものの説明は言葉では難しい。やはり写真をそのまま見るのが1番だ。それすらも肉眼には及ばないが。こういったものは、目に見えるものだけでなく、その場の雰囲気や臨場感といったものが、とても大きく心に響いて来るからだろう。

ところで、このモスクの長い名前だが、シェイフ・ロトフ・オッラーという有名な説教師にちなんだものらしい。

●歴史あるマスジェデ・ジャーメも凄い。(イスファハーン)

マスジェデ・イマームより先に訪れると、見たときの感動が増すかもしれない。どこか似たところがあるのだ。

マスジェデ・イマームの原型かと思うような、全体が青いタイル模様で覆われた美しい姿だ。模様はより質素で、近くによるとタイルだけでなく漆喰かなにかと合わせて模様が作られているのが分かる。
ドーム内の装飾はタイルではない。日干し煉瓦で造られている模様が幾何学的に模様を作る。そして、朽ち果てようとする姿は歴史を感じさせる。こういった「古い」ということが実感できるのもたまにはいい。

真剣に祈る姿も多い。
日干し煉瓦のドームは、鍵がかかっており開けてもらって入る。もしかしたら普段は開けないのかもしれない。私たちの行った時は、イラン人の団体がおり、そのために鍵を開けているようにも見えた。
もっとも、鍵を開け放つようなことはせず、人が出入りする時だけ鍵を外し、誰かが中にいる間もずっと鍵はかけられているのだった。

今日は金曜日でもあり、祈りの姿も目にしたかったが、やはりお昼が近づくと「外に出ろ」というようなことを言われてしまった。

外は金曜日だというのに、相変わらずの混雑ぶり。ゴチャゴチャとしたざわめきと、人がぶつかり合う様子。どうも、この中は痴漢が多いようで私たちは別の道を通って帰った。全く混雑した場所では、本当に痴漢が多いのだ。
ところで私は、イラン人女性に口から吐き出した水を上半身全般に引っ掛けられた。やはり謝りもせずに笑って立ち去る。イラン人の倫理ってどうなっているんだろう。


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ミニコラム

++見学の順番++

イマーム広場の見学順序のオススメは、、、

アーリーガープ宮殿

マスジェデ・シェイフ・ロトフ・オッラー

マスジェデ・イマーム

この順番でいくと、徐々に凄くなる(いろんな意味で)ので、感動しやすい(笑)。最初にマスジェデ・イマーム
にいくことだけは避けたい。

また、時間があって、マスジェデ・ジェーメに行く予定なら、イマーム広場の前に行ったほうが良い。

ミニ情報

++入場料++
(イスファハーン)

ハシュト・ベヘシュト宮殿
=3,000リエル
※外からで、十分見られる。透明

マスジェデ・ジャーメ
=無料

アーリー・ガープー宮殿
=4,000リエル

マスジェデ・シェイフ・ロトフ・オッラー
=5,000リエル

マスジェデ・イマーム
=5,000リエル
(金曜礼拝の後、たくさんの人に紛れて無料で入る人もいるようだ。)

ヴァーンク教会
=無料

やはり、イスファハーンに来たからには入場料をケチっては逆にもったいない!?

※モスクは、金曜日の礼拝時間は立ち入り禁止。

※金曜日のバザールはほとんどが休みだが、見所は入れる。ただし、マスジェデ・ジャーメ近くのバザールだけはイラン人で賑わっている。

ミニコラム

++カメラ準備++

ありがたいことに、モスクはカメラの持込ができる。
聖廟は"お墓"であるため、カメラの持込が禁止されているのだろう。

こんなことを書いては不謹慎でもあるが、私のような旅行者にとってはどちらにも大きな差異はない。聖なる場所で"Respest"が必要ということと、とても美しいということがメインとなる。

余りに美しいものがたくさんあるので、どんどん撮る続けるとメモリorフィルムがすぐになくなってしまうかもしれない。ちゃんと、たくさん撮れる様にメモリを空にして行くとか、フィルムを準備して行ったほうが良い。

ミニコラム

++イマーム広場++

正確な長方形で、縦510m×横163mとのこと。
広場の中心には噴水があり、その周りには観光用の馬車が走り回っている。
噴水の脇には芝生の広場があり、サッカーをしたりお弁当を食べたりと寛いでいる。

北側には駐車場もある。周囲を囲む建物は全てバザールでシエスタ時間以外はとても賑わっている。

ミニコラム

++観光は徒歩?++

徒歩で回ることも十分に可能だが、1日で回ろうとすると疲れる。ジョルファー地区にも足を伸ばすとなると尚更。

ハージュー橋まで行くなら(特に暑い日には)タクシーを使うのも良いかもしれない。

また、マスジェデ・ジェーメに行く道のバザールだが、金曜日は余りに混雑している。歩くのも大変なので、遠回りしても違う道で行ったほうが良い。
※それを楽しむなら良いが、女性の場合には痴漢にも特に注意!!

ミニコラム

++昼も夜も++

夜はライトアップされ、昼とは違う表情が見られる。
時間があれば、是非どちらも見たほうが良い。夜の水面に写るマスジェデ・イマームなどとても幻想的。

夜にイマーム広場に来ても、人はたくさんいるので怖い感じはしない。しかし、可能なら複数で行ったほうが良いと思う。

ミニコラム

++スウィート++

イマーム広場から東に向かう道を、200mほど進んで右側においしいスウィート屋さんがある。
日本語ペラペラのイラン人に教えてもらったのだが、2,000リエル/1カップ。

米を粉にしてプリン状にし、プリンのソースのようなもの(砂糖を溶かしている?)をかけている。

現地の人も多く、オススメ。

ミニコラム

++女学生が++

イスファハーンでバスを降りると、イラン人女性がマユに声を掛けてきた。

英語も割と流暢で、ヤズド近くの大学で通訳の勉強をしているとのこと。まだ卒業までには1年あるようだが、外国人や外国の文化にとても興味があるようだ。
洋服も他のイラン人女性とは異なりちょっと派手気味(そういう女性もたまにいる)。ピンク色のジャンバーを着ていた。

おそらく親切心と、勉強も兼ねてだろう。私たちにイスファハーンを案内したいと言う。結論から言うと断ってしまったのだが、それも普段とは違って面白そうにも思った。イラン人女性の普通の姿を見られることは滅多になさそうだし。

ただ、私たちは自分たちのペースでのんびり見たいというのもあり、彼女の開いている時間は午後3時〜6時頃だけだと言う。私たちはやっぱり自分のペースを守るのだった・・・。

でも、ホテルまで彼女の乗る車(弟の運転)で連れて行ってもらった。バスターミナルは遠かったようで感謝!!

●凄い!!美しい。大きい。イマーム・レザー廟。(マシュハド)

上る太陽に金色のドームが映える。
寒さで息が白い早朝にも関わらず、多くの真剣なイスラム教徒が祈りを捧げている。

美しいタイル模様がハラムを彩る中、巨大なその空間にイスラム教徒が吸い込まれていく。特に北西のゲートでは、様々なドラマが展開されている。団体で訪れる巡礼者が多いからだ。歌をうたっり、嘆いたり、、、門の外では自らの身体を痛めつけたりもしている。

そんな風景が1日中途絶えることなく続き、夕陽が映える頃になると哀しげな金管楽器の音色がハラムを包み込む。

とにかくハラムは巨大だ。ほぼ円形であるが、ゲートの中だけでも直径500m以上はあるだろう。周囲を歩くだけでも結構な時間がかかる。特に模様を眺めながら歩くなら尚更だ。どれも美しいが、特に内部に近づくほど繊細な模様。外側の方は新しいので、その分だけ感激が減ってしまうと言う心理的なものもあるかもしれない。
ハラムの中にある博物館には、かつてハラムを彩っていたタイルや門、そして、19世紀から20世紀中ごろまで"聖廟の銀の枠"として使われていた"檻"も展示されている。こちらはとても時代を感じさせられ、しかも、数m×数mもあるような大きな陶器をどうやって焼いたのだろう。それも、素晴らしく美しい門の模様などを伴って・・・。

雨の日にも、雪の日にも、巡礼者は絶えず、そして、さらに嘆いていた・・・。雨の日のハラムは、足元が滑る。広場の地面は、全て大理石で覆われているのだ。いくらなんでも滑るのでそれは嬉しくない。しかし、雨の日以外は、それも美しい道具の1つとなる。

鏡の装飾に覆われた内部では、多くの巡礼者が右往左往し、聖廟に触れようとキスをしようと何かを得ようと、とにかく興奮と緊張が存在する。そういった心理は周りにも影響し、それもまた特別な場所であることを引き立てている。やはり、マシュハドのイマーム・レザー廟は、イランでも特別な場所だろう。美しいし巨大であることはもちろん、その宗教的雰囲気にもよる。残念ながら、その宗教的雰囲気により、場違いな私たちはとても居心地が悪い面がある。「聖廟やイスラム教徒に対して迷惑を掛けないように」といったことを常に考える必要性から、落ち着いて堪能することができないのだ。もちろん、聖廟はそういった美しさを堪能する場所ではないので、私のこういった感想は、大きなワガママなのだけれど。

また、残念なことには、周囲のほとんどが工事中であることだ。さらにハラムを拡張し美しくするために、そして巡礼者の利便を図るために、巡礼宿やら巡礼病院やら、巨大なモスクやらを造っている。
その工事風景は、ちょっと興を削ぐ。少なくとも私はこれが完成してから訪れることがで来たら良かったと、少なからず残念に思った。この工事は係員によると、あと2年半ほどは続くと言う。

その頃、どのくら美しくなっているのか・・・。

●小さいが趣きがあるサブズ廟。(マシュハド)

マシュハドは、イマーム・レザー廟以外は特に見る所がない。
バザールは趣きがあるが、マシュハドだけというものでもない。他に・・・というと、サブズ廟らしいのだ。

地図を見ないで歩いていたので、迷子になりながら何とか辿り着いた。

緑の玉ねぎ状のドームは、いつも通りにどーんと存在感がある。でも、建物自体はとても小さい。いつも見ているモスクや廟が大きすぎるからかな。
それでも、道の真ん中に、でぇ〜ん、と建っているのだから凄い。

周りを囲むようにサークル道路があり、私もまずは周りから観賞した。入口におじいさんが座っていて、中に入って良いのか不安になりながらジェスチャーで聞く。
問題はないらしい。一歩右側から踏み入れると、そこは女性用の祈りのスペースだった。・・・申し訳ない。すぐに左側から入りなおした。靴を脱いで靴入れに自分で入れる。大きな廟やモスクだと預かってくれる人がいるが、そんな違いも微笑ましい。

中では真剣にお祈りしている人たちがいた。イマーム・レザー廟とは全く異なる。何が違うかというと、彼らにとっては「これが日常」という感じなのだ。落ち着いていて、飾り気もない。
イマーム・レザー廟は、団体さんで満たされていて、歌を歌う人、太鼓に合わせてのアシューラー(自分を痛めつける)のお祭りのようなことをする人たち、泣き叫ぶ人たちが多い。ここは本当にただ、静かにず〜っとお祈りをしている。

こういうのもいいもんだよな。

女性用のチャドル。(マシュハド)

イラン国内では、女性は外国人であってもスカーフなどで頭を覆わなければならない。これは、国の法律で定められている厳しいルールなのだ。

さらには場所にもよるが、一部のモスクはチャドル(全身を隠すマントみたいなもの)で全身を覆わなければ中に入れない。マシュハドに行くそれまでは、ほとんどのモスクの入口にてチャドルを無料レンタル(?)できたが、イマーム・レザー廟だけはそうもいかないらしい。LONLY PLANETの本によると、宿などで貸し出し可能とのことだったが、私たちの泊まった宿ではできないようであった。

そこで、なるべく安いチャドルを探し回った。
バザーレ・レザーというこの辺では1番大きく活気のあるバザールを見て回った。だけど店員は英語は全く話さないし、値段は聞けば高くて手が出せない。諦めた頃、バザーレ・レザーではなくイマーム・レザー廟手前の小さなお店で20,000リエルで発見!帰り際に捨てるには少しもったいないけど、捨ててもOKかなって思える値段で買えたのだ。

●廟の前で咎められ?!(マシュハド)

イマーム・レザー廟の中は広くて、また方向音痴の人にとっては「迷宮」の世界だ。私はもちろん、グルグル歩き回っているうちに方向感覚を失っていた。
廟そのものは、外国人は入ってはいけないという。さらに、最初に寄ったツーリスト・インフォメーションでは、なるべくモスク内に入らぬようにとあらかじめ注意されていた。
・・・だが、気がつくと目の前に廟があった。

(ん〜、まずいまずい。早く外に出なければ・・・。)
中ではハタキを持った係員がモスク内を監視している。興奮し、なかなか廟の前から離れようとしない巡礼者をハタキで叩いたりと、なんだか少しおかしい。私はその係員にバレないようにと、彼女らに近づくたびに顔を伏せて隠れる。

が、バレた。
「○△×з?」
が、私は幸か不幸かイラン語が分からない。すると、見つけた係員がこっちへ来いと言う。行きたくなかったが、素直に同行する。係員はすぐ近くにいた別の係員に私を譲り渡す。そちらの係員の方は少しだけ英語を話すようだ。
「パスポート?」
と言われ、あせる私。だが、あいにくパスポートはホテルに預けてあって手元にない。そのような意味合いのことを伝えると向こうも納得したようだ。早く外に出てどうにか逃げたかったが、数分そのやり取りは続いた。だけど言葉があまり通じないので、最終的には向こうも見逃してくれた。はぁ、良かった・・・。

出口を出るときに、モスク(廟)に向かってお詫びした。異教徒なのに図々しく入ってスミマセンと・・・。

が、貴重なものが見れた。中央にあるイマーム・レザーの廟の周りの柵にはたくさんの巡礼者がしがみ付き、興奮し、押し合い、目を腫らして泣く人々の真剣な姿があった。敬虔なイラン人の姿がとてもリアルに印象に残ったのだ。

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ミニコラム

++外国人は?++

外国人はまず、ツーリスト・インフォメーションに寄ることが義務付けられている。そこで内部の説明のビデオを見たり、説明を聞いたりする。本やパンフレットも無料でもらえるので行く価値はアリ。